There are two sides to typogra­phy. First, it does a practical job of work; Second, it is concerned with artistic form. Sometimes form is accen­tuated, sometimes function, and in partic­ularly blessed periods form and function are felicitously balanced.

Emil Ruder

オンスクリーン・タイポグラフィ・デイ On-Screen Typography Day

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言葉からはじめましょう。
あなたはすでに
タイポグラファなのですから。

わたしたちは、タイポグラフィと呼ばれるものを
ただ単に文字を配置する技術だと考えていないでしょうか。

今回、ウェブを中心としたオンスクリーンメディア ── わたしたちが仕事でも娯楽でも、移動中でさえのぞき込んでいるこの魅惑的な青く光る画面 ── のタイポグラフィについて、広く扱うセミナーイベントを開催することにしました。スキルや職種にかかわらず、タイポグラフィについて聞き、話し、考える場です。

そして今、わたしは手紙を書いています。
この文章を読んでいる、あなたへの手紙です。

実は、こうしてイベントを開催しようとしているのに、主催であるわたし自身が「タイポグラフィ」とは何なのか、未だによくわかりません。わたしがデザインをはじめてからずっと考えていることなのに……そんな事実に今、直面しています。

これを読んでいるあなたは今どんな生活をしているでしょうか。日々忙しく過ごしながら、作業の手を止めてコーヒーを淹れる合間で、夜更けにナイトモードのTLの狭間で、消えていった言葉がたくさんある、そんな気がしています。わたしもあなたもネットを介していつでも繋がっているはずなのに、肝心なことはいつも言えないでいます。仕事で行う日々の連絡は滞りなく片付けてしまえるのに、素直に、プリミティブに、個人として「伝える」ことに向き合おうとするとここまで苦戦してしまうんですね。

わたしは、そこにこそタイポグラフィの手がかりがあるのではないか、と思っています。

つまり、わたしたちにとって、「ありもしない正解」を求めて思考停止してしまわないための「勇気」が大切なのではないか。それをなんとか伝えられないか。そうして、今わたしはあなたへのテキストを書いています。

重要なのは、何が正しいかではなく「わたしたち全員がタイポグラフィをしている」という事実です。あなたがデザイナーでもエンジニアでもライターでもディレクターでも、こうして考え事をしている時点でそこに言葉があります。テキスト入力窓は日常になり、パブリッシュすることは生活になりました。わたしたちはそれぞれの専門性と無関係に、史上まれに見るほど「タイポグラフィが身近になった人々」なのです。

タイポグラフィは
聞こえてくるものでなければならない。
タイポグラフィは
感じられるものでなければならない。
タイポグラフィは
体験できるものでなければならない。

ヘルムート・シュミット

わたしたちは、タイポグラフィと呼ばれるものを
ただ単に文字を配置する技術だと考えていないでしょうか。

「伝える」ために行うすべてのことが、タイポグラフィなのです。

価値観の壁は、この日は軽やかにすり抜けましょう。あなたやわたしが今どんな属性であったとしても、「伝える」ことについてフラットに向き合ってみませんか? 知らないこと、横目で見過ごしてきたことに目を向けてみませんか? これまで信じてきたものがこの先どうなるのか、一緒に考えてみませんか? 正解ではなく、あえて不確かな未来を作ってみませんか? 言葉について考え、伝えることについて工夫し続けること。その態度こそがタイポグラフィではないか。互いにそれを考えてみたい。そうすることで、「肝心なこと」に少し手が届く気がしています。

タイポグラフィは、今、あなたの目の前にあるものです。

言葉からはじめましょう、あなたはすでにタイポグラファなのですから。
当日会場でお待ちしています。

実行委員:関口 裕

プログラム

セッション

美しいものを作るために“我々は何ができる”か

長谷川 弘佳

Art Director, Interface / Graphic Designer

1986年生まれ。多摩美術大学美術学部情報デザイン学科卒業。博報堂i-studio、 mount inc. を経て2017年、HIROKA HASEGAWA DESIGN設立。プロダクトデザイナー&クリエイティブディレクターの早川和彦とともにH inc.を設立し、平面・立体を問わず、様々なデザインの仕事を行う。

長谷川 弘佳のプロフィール画像

そうして言葉は飛んでいく

私はあなたがどこにいるかわかりませんし、あなたは私がいつ、どうやってこれを書いているかわかりません(そして本当に私が書いているのかも)。だからウェブは素晴らしいんだと思います。これは知られていることなのかわかりませんが、オンスクリーンというのは私の勤め先の部署名で、その言葉を初めて聞いたのは部署ができる2009年の末あたりだったと記憶しています。提案したのは原研哉で、生意気なことに当時はなんてダサい名前なんだと辟易していました(そもそも当時は放送の現場などで使われていた言葉だったと記憶しています)。今こうして普通に使われる言葉になったこと自体が、オンスクリーン的だなと思っています。距離と時間をテーマに、デザインと文字と、未知なることへの関わり方を一緒にお話ししながら探れればと思います。

有馬 トモユキ

アートディレクター / デザイナー

1985年生まれ。青山学院大学経営学部卒 / 朗文堂・新宿私塾第9期修了。2009年日本デザインセンター入社。コンピューティングとタイポグラフィを軸として、グラフィック、Web、UI等複数の領域におけるアートディレクションとコンサルティングに従事している。朗文堂・新宿私塾講師。武蔵野美術大学基礎デザイン学科非常勤講師。著書に「いいデザイナーは、見ためのよさから考えない」(星海社)がある。

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オンスクリーンにおけるベアボーンタイポグラフィ

オンスクリーン(ウェブ)におけるタイポグラフィの骨格で(ある|しかない)HTML。そのHTMLから意図を伝えるための手法について述べます。

桝田 草一

ウェブフロントエンドデベロッパー / アクセシビリティエヴァンジェリスト

エンジニアリング企業のセールスからウェブ業界に転身し、デジパ株式会社でマークアップエンジニア、ウェブディレクターを経験後、2017年1月にサイバーエージェントに入社。生放送プラットフォームサービス「FRESH LIVE」のウェブフロントエンド開発を経て、現在は新規サービスの開発、社内外でのアクセシビリティの啓蒙・推進に従事している。

WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会)作業部会2(実装)委員 / #deisui_html_radio の分かり手担当

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コンテキストをピクニックしよう

私は編集を仕事にしていて、テキストの持つ「情報」を主な気がかりにして過ごしています。さて、コンテンツには文字情報だけでなく写真やイラストなども含まれますが、それらはコンテキストに思いを馳せることなしに編まれ、デザインされることはないでしょう。さらに、伝わるプロセスにおいてコンテンツが発生させる「ない意思」としてのコンテキストもまたあります。そんなことをピクニックをキーワードにお話します。

土屋 綾子

編集者/ディレクター

株式会社インプレス、株式会社リットーミュージックにてWeb・印刷物の編集、Webディレクター等Webを中心とした幅広いプロジェクトの立ち上げ、運用に参加。2014年、株式会社コンセントでWebディレクター、コンテントストラテジストの傍らトークイベント「肩書きはまだない」モデレーター等を務める。2016年よりフリーの編集者として各種Webサイトの設計、コンテンツ企画、編集ライティングや、書籍編集、サービスや展示のコンセプト設計などに参画している。

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バーティカル・グリッドでもっと深まるWebタイポグラフィ

後藤 健人

アートディレクター/デザイナー

1988年生まれ。名古屋学芸大学メディア造形学部映像メディア学科卒業。名古屋の制作会社を経て、2016年、日本デザインセンター入社。Webデザイン、フロントエンドの実装を中心に、映像・モーショングラフィックスなど、横断的にオンスクリーンメディアのデザインを手がける。主な仕事に、『mojimo / mojimo-manga』、『FONTPLUS』のアートディレクション、『Osaka Metro』モーションロゴ等がある。

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イントロダクション

〝タイポグラフィ〟怖がらないために

デザインの心強い味方であるはずのタイポグラフィですが、その奥深さや難解さから、特にウェブ業界では怖がったり敬遠する人も少なくありません。ウェブ業界にはタイポグラフィを教えてくれる人がそう多くはありませんでしたから。しかし、ほんの数年前までウェブデザイナーの間では「ニッチなマニアだけが取り組むこと」のようにも思われていたタイポグラフィは、今やオンスクリーンにおけるグラフィックデザインの中でもひときわ重要な観点のひとつとなっています。まずはウェブや印刷といった枠組みを一旦忘れ、「タイポグラフィとはそもそも何なのか?」というモヤっとした疑問から改めて基本を見直していきましょう。

カワセタケヒロ

コンセプター/デザイナー

浅草橋のデザインスタジオ POLAAR代表。信州大学教育学部 FabLab Nagano 外部アドバイザー。高校在学中に世界保健機関(WHO)の準会員NGO・国際医学生連盟の日本支部でウェブマスターを担当。都内制作会社数社を経て2011年に独立。CI計画、グラフィック/UIデザイン、サービス計画のプロジェクトマネジメント、医療分野にまつわるデザインとディレクションなどを中心に活動中。たてよこWebアワード 審査員 兼 アートディレクター(2015-2017)。2015年・2018年グッドデザイン賞受賞。

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パネルディスカッション

オンスクリーン・タイポグラフィの今とこれから(仮題)

  • 長谷川 弘佳
  • 有馬 トモユキ
  • 桝田 草一
  • 土屋 綾子
  • 後藤 健人
  • カワセ タケヒロ
  • 関口 裕(モデレーター)
関口 裕

クリエイティブディレクター/デザイナー

1983年生まれ。2017年日本デザインセンター入社。静岡文化芸術大学でプロダクトデザインを修めた後、エディトリアルデザイン・情報デザインを扱うデザイン会社コンセントに就職。雑誌を中心に紙媒体のデザインに携わった後、大・中規模のコーポレートサイトやブランドサイトの制作を軸としたアートディレクションに従事。近年はクリエイティブディレクターとしてプロジェクトそのもののデザインを行う。メディアや規模感・価値観の違う案件を同時に進めるのが好き。好物はゴボウ。

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概要

『オンスクリーン・タイポグラフィ・デイ』は、PCやスマートフォン、サイネージ、HMDといったオンスクリーン媒体を対象にしたタイポグラフィを扱うセミナーイベントです。現場に近い登壇者をお招きし、参加者のスキルや属性にかかわらず、これからのタイポグラフィについて一緒に考える場を目指します。

デジタル領域のデザイナーや、これまでタイポグラフィに強い関わりのなかった方を中心に、さまざまな職種の方に参加いただけることを楽しみにしています。

開催情報

  • オンスクリーン・タイポグラフィ・デイ

  • 開場: 懇親会
  • 渋谷 Abema Towers 10階地図
  • 参加費 3,000円(懇親会あり)

主催

注意事項

  • 本イベントの内容は予告なく変更されることがあります。あらかじめご了承ください
  • 本イベントへ参加ご希望の方は、個人・団体問わず Peatix にて詳細をご確認のうえ、人数分のチケットをご購入ください
  • 領収書をご希望の方は、領収書についてをご確認ください
  • キャンセルされる場合、返金の対応ができませんのでご注意ください
  • 当日は、チケット確認画面を表示できるスマートフォンやタブレット端末、または事前申し込みが確認できる完了メールの印刷等と名刺2枚、もしくは身分証・学生証をお持ちいただき、受付にてご提示ください
  • イベントクロークのご用意はございません。大きな手荷物をお持ちになる方はご注意ください
  • 途中退場、再入場は何度でも可能です。ただし、席の確保はできませんのでご注意ください。再入場の際はチケットを再度ご提示ください
  • 車椅子でお越しの方は、イベント当日までに事務局までご連絡いただくか、当日に受付にてお知らせください
  • お子様の同伴をご希望の方は、人数分のチケットをご購入ください。また、会場の混雑が予想されるため、未就学児のお子様のご来場は安全管理上の理由からお断りしております
  • 本イベント専用の駐車場・駐輪場のご用意はありません
  • 会場内での飲食は、周りの方のご迷惑にならないよう十分ご配慮ください
  • 当日は、セッションの内容や会場の様子などを写真と動画で撮影いたします。撮影した写真や動画は後日公開されることがあります。あらかじめご了承ください
  • 会場内の撮影やSNSへの投稿は歓迎です(※三脚や自撮り棒などの使用は、安全管理上の理由からお断りしております)。#ostd2019 を付けて、ぜひ気軽にシェアしてください
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